第二次産業革命後、資本主義が形成されモノを大量に消費する消費社会が出現、人口増加も相俟って「交通革命」とも呼ばれるように移動手段が飛躍的に発達しました。
それに伴い現代ツーリズムも伸長を続け、消費社会における経済活性化の一翼を担うようになりました。
また現代ツーリズムは、欧州各地を経て世界各地に急速に広がって対象地域を拡大していき、利害関係者を増やしマス・ツーリズムを進行させ旅行形態の多様化を進めていきました。
現代ツーリズムが21世紀の世界経済の基幹産業の一つとなり、多くの先進国及び発展途上国の経済的発展にとって欠かすことのできない産業の地位を固めたことは衆目の一致するところであります。 しかしながら、ツーリズムの持つ意義はコロナ禍以前より「地域の活性化」という掛け声のもとに経済的側面にのみスポットライトが当てられる場面が増加していると感じております。 今後ツーリズムは経済的意義と並んで、文化的・社会的・環境的意義についての認識を更に深め、多様な分野の事業者と連携を進めていくことが重要です。 これからのツーリズム(新・ツーリズム)は、商品売買による経済的意義から考えるだけでなく、学び・気づき・地域活動などの多様な人々の交流の場としても捉えるべきです。 その場合、交流人口となるツーリストも含む多様な人々は、訪れた地域の歴史・風土や自然環境によるそれぞれの文化・価値観を固定的なもの、 つまり静的なものと考えるのではなく動的なものと考え、そのハイブリッドな融合、即ち「不易流行」を図る見地に立ち交流をすることが必要と考えます。 ご賛同、ご興味を持っていただいた皆様とともに、新・ツーリズムへの取組、そして、従来の「観光産業」の枠組みに捉われない新しい「産業観光」としての枠組みの連携の形成に向けお手伝いをさせていただきたく存じます。 どうぞよろしくお願い申し上げます。 |
表 彰 | : | 平成28(2016)年7月 海事関係功労者 国土交通大臣表彰 |